3 ・ 2 ・ 1 ・ 0 ファイヤー!!

あっというまに重力圏から脱出です。

「おっと、あぶない」 ちょっと軌道からはずれたかな?

ピアノの宇宙船の操縦は、むずかしいぞ。

ギュルーン、ギュルルン、ギュルルーン!!

とつぜん、恐竜がしゅうげきです。

そうです。軌道がそれて、

まちがって立ち入り禁止地区の「とかげ座」の中に

まよいこんだのです。

さあ大変 !! 「だれか、助けてー」

そんなプレアデスの声をきいて、

さっそくかけつけてくれたのは、

首の長〜い「きりん座」のおじさんです。

「さあ、坊や。おじさんの首につかまっておいで」

まるで、クレーンのようなきりんのおじさんの長い首につかまって、

ようやく助け出されたプレアデスは、

ピアノ船にのったまま、

北極星まで、はこんでもらいました。

「ここなら安全だ、坊や。

ゆっくりとピアノをひいて、きかせておくれ。」

「ありがとう。きりんのおじさん!」

プレアデスは助けてもらったお礼に、

さっき「おひつじ座」のおにいさんからもらったマフラーを

きりんのおじさんの長〜い首にまいてあげました。

きりんのおじさんもおおよろこび。

こんどは長い首をおりまげて、

プレアデス坊やの小さなほっぺたに、小さなキスをプレゼントです。

セレナーデ、セレナーデ、小さな星のセレナーデ。

プレアデスの小さな指が、ピアノの鍵盤の上で、

楽しくおどって、美しいメロディーが流れます。

小ぐま座のおともだちが集まってきました。

1匹、2匹・・・・・・・・・・9匹、 全部で9匹、

みんなで仲よくピアノをかこんでおすわりです。

いつのまにか、子供たちにつられて、

おとうさんぐま、おかあさんぐまも、太い手で、

パチパチと拍手をしています。

北極星のコンサート。

プレアデス坊やもゴキゲンです。

北の星座が、ピアノのメロディーに

ゆっくりと流れ出しました。

プレアデスのピアノの音をきくと、

だれもが楽しく、仲よしになれそうです。

「プレアデス坊や、ありがとう。」

みんなのお礼のことばに、ゴキゲンのプレアデスは

ひとさし指で鼻のあたまを、もちあげて、

とくいのポーズです。

「アンコール! アンコール!」

プレアデスは気をよくして、もう一曲弾こうとしたとたん。

・・・・・ワープボタンにふれてしまいました。

”ヴァーン” 大きな音とともにピアノ船は、

目的地のないワープ状態に引き込まれて行きます。

グルグル目がまわりそう。

「どこかにおりなくては大変だ !!」

その時、プレアデスの目の前を青い美しい星が流れて行きます。

「よし、この星に不時着だ!」

バランスを失ったピアノ船は、

あっちへフラフラ、こっちへフラフラ

なんとか重力圏へ突入しました。

ヨタヨタ高度を下げていきます。

次へつづく・・・

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