「ドスーン!」

プレアデスのピアノ船は青い美しい星の緑の森の中。

小高い丘の上に無事着陸しました。

不時着のショックでピアノ船は、

地面に半分めりこんでしまいました。

「あ〜あ、やっちゃった。

ぼくってやっぱりあわてんぼうなんだね」

ピアノ船にとりつけてあるテレパシーフォンを頭にかぶって

「おうし座」のパパに報告です。

「ハロー、ダディ、ハローダディ。

こちらプレアデス、応答ねがいまーす。」

「ハイ、こちらダディ、感度良好、感度良好。

どこに行ってしまったんだね。プレアデス?」

「こちらプレアデス。操縦ミスして不時着しちゃったんだ。

ごめんねパパ、ピアノ船がこわれたみたい。」

「よし、わかった。今レーザースクリーンの感度を上げて

さがしているからそのままおまち。」

「うん、ありがとうパパ」

「プレアデス聞こえるかい?」

「はい、良く聞こえます」

「今、おまえは410年前の銀河系の地球という

小さな星にいるんだよ。」

「410年前の銀河の星の中でも、

もっとも美しいと言われていた星だ。

よーく見ておくんだ。

・・・・・あと1分後に自動回収装置がさどうするからゆっくり目をとじて・・・・・」

「まって !! パパ。

せっかくつくってくれたピアノの宇宙船はどうなるの?」

「どうだい、プレアデス。

太陽電池はまだ使えるだろうから、

地球のよい子たちにプレゼントしては・・・・・。

あとでまた新しいのをつくってあげるから・・・」

「うん、いいよ、パパ」

「地球のよい子のみんなが、ぼくのピアノ船を

楽しく使ってくれるといいね。」

「さようなら、ピアノ船。 みんなと仲よくね。」

「さようなら !!」

ギューン。小さな音とともにプレアデスの体は

自動回収装置によって「おうし座」のパパのもとへ

あっという間にはこばれてしまったのです。

さようなら、ピアノ船。

こんどは地球で楽しくセレナーデ。

みんなと楽しくコンサート。

おしまい

文 ・ 山本久博

絵 ・ 斎藤のりよし

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