幸運の姫亀・・・!!  <その4>

2011年10月4日

姫亀たちは元気に母の元に帰りました・・・

今日彼らは初めて土の上を歩き、そして転がるようにお堀の中に帰って行きました。
きっとお堀の中では母亀が首を長ーくして待っているものと思います。
母亀の産卵の苦労から一部始終を見届けたモードスタジオQのスタッフに見送られて・・

まず始めに再び彼らが産卵した場所に戻って来れるように、金網を使って石ころを除き安全な砂地を作りました。

準備を進める間にお堀の水を水槽に加えて姫達達が馴染むように訓練しました・・・
撮影の準備も整い、いよいよお見送りです!!

ここから先は自分で餌を穫らなければなりませんので、最後にコガメの餌をたっぷりと摂取してもらいました。表情が幾分寂しそう・・・苦笑

初めての土の感触を楽しんだ彼らはここで産まれた事を確認出来たようですね・・・
しばらく土の上で遊んだ後は、いよいよ母の元へ歩み始めました。
二匹は降り易いように整えた草の上を、残る一匹はちょっぴりスリリングな石の斜面をそれぞれお堀にダイブして行きます・・

一番スリリングな道を選んだこの子は結局転がり落ちて水にドボン・・・苦笑
幸い大事なく元気に泳ぎ始めまして一安心・・・
ここから先は母亀の指導にお任せする事にしましょう・・・笑

来年もまた母亀が産卵に訪れる事を期待して砂地を綺麗に整えて待つ事にしました!!


姫亀三姉妹の見分け方に関するレポート
今回産まれた三姉妹に将来再会した時の為に見分け方を見つけたので報告します。

人間の指紋のようなものを探していたのですが、甲羅の中心の上から二番目だけがそれぞれ
大きく異なっている事を発見しました。この写真を基に今度会った時は見分けられると思います。

将来この甲羅の模様が変わらないで残っているならば・・・ですが(苦笑)

美輪姫

真ん中にリング状の模様がありますので美輪姫と命名

星姫

リング状の模様がつぶれて四隅に星が現れたので五つ星になぞらえて星姫と命名

夢線姫

真ん中の模様がバーコード状になっているので夢線姫と命名

この姫亀三姉妹をQ姫トリオと命名します。

もし千秋公園のお堀で彼らを見かけたら声をかけてあげて下さいネ


総括

7/8 朝 
産卵  サロンの朝礼前にスタッフが産卵中の亀を発見。刺激しないように遠くから観察。
もしかすると早朝暗いうちに産み終える予定だったのが、土が堅くしかも砂利がある為に穴を掘るのに手こずった為に遅くなり我々の目に留まったのかと思われる。なぜならばその数日後に再び直ぐ脇を掘り始めたのを目撃されている。しかし石が大きくて穴を掘る事が出来ずに諦めて水に戻った所まで報告されている。
自然保護協会の高橋先生に相談した所、秋田県内で亀の自然産卵と孵化の観察事例が無いという事で、出来る限りこのまま孵化するまで見守る事に・・・。
カラスや猫等にいたずらされないように、しかも日射が十分注ぐように土の上20cm程度の位置に釣り糸を張り巡らせてカラスの侵入を防いだがこれは有効だったと思われる。

9/25 午後 
卵を回収 回収と言うよりも今年の孵化を諦めて卵の状態を観察。
通常の孵化は約1〜2ヶ月との事で、秋田市はそろそろ秋風が吹き始めたので、もはやこれ以降の孵化は無理との判断です。
卵の総数は11個、大きさは約5cm、潰れていた卵の殻を見た所、柔らかいピンポン玉のような殻で形は大きなウズラの卵程度でした。
まさか孵化するとは思っていなかったので、簡単にビニール袋にいれて先生が持ち帰る事になりました。

9/26 午後 
卵が孵化 まさかの事が起きてしまいました。
てっきり今年は失敗だったと思っていた卵が、持ち帰った先生の愛情か信念のお陰で次々と孵化し始めました。急遽ペットショップに直行して小亀用の水槽と餌を購入し、少しの間だけ温かい水槽で育てる事にしました。水槽とヒーターと偽岩、それにコガメ用の餌を購入

10/4 午後 
母亀の元に帰りました・・・
甲羅も固くなり、お堀に戻っても自力で生きて行けるたくましさが感じられるようになった事と、これから日増しに秋が深まり気温が下がる事が予想される為、日中の温かい時間帯を目処にお堀に帰る事になりました。まず、産卵場所の土を金網でふるいに掛けて整えます。
その間、お堀の水をたっぷりと水槽に入れて亀達が水に馴染むようにしました。
一旦亀達を砂地の上に放し、土の感触を味わってもらった後に自力でお堀に戻る事を画策、お堀の水に入った亀達は、しばらく後には元気に潜り始めて見えなくなってしまいました。
一刻もはやく母亀と遭遇される事を期待して・・・

今回は初めて亀の産卵と孵化を見届ける事になりましたが、貴重な体験に感謝しています。

姫亀たちと再会する日が今から楽しみです・・・   終了         山本久博

 

 
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