今日は予約について私がこれまで感じたことを書いてみよう。 随分前の事だけれど、ビバリーヒルのサロンで働いたことがある。(もちろん修行時代だから床掃き専門) スタンディングカスタマーと呼んでいたのだが、毎週決まった曜日の同じ時間に1年分の予約を入れているお客様がいた。 そんなお客様をたくさん抱え込んでいる技術者は、毎日めまぐるしく働いていた。 そんな中で気が付いたことだが、今で言う売れっ子の技術者は休暇を取って遊ぶことも上手だった。 もちろん仕事中は休む間もなく、コーヒーカップと灰皿をワゴンの上に置き、昼食も立ったままサンドイッチをくわえていた。 そういえばあの頃は男も女もみんながタバコをくわえてたっけ・・・ 1年分の予約が入っているので絶対に休めないんだ。 その代わりかもしれないが、半年に一度は長期休暇をとって海外に遊びに行っていた。 一度だけ売れっ子のBillさんがダウンしたことがある。 朝早く、真っ青な顔をしてサロンに出てきた彼は、予約のお客様に電話をかけまくり(少なくても20件以上はあったはずなのだが)、すべての予約を変更してもらった後に、フラフラと病院に向かった。 日本も売れっ子の技術者は似たような状況だと思うのだが、欧米のプロ意識には学ぶべきものがたくさんあると感じている。 反面、自分に当てはめたら・・・・、そんなにぎゅーぎゅー詰め込んだ仕事はきっと耐えられないかも・・・。 馬車馬のように良く働く技術者が、長い目で見れば必ずしも成功するわけではない。 だからスタッフのみんなには、程ほどの売れっ子でいてくれれば・・・と思っている。 上手に休暇を取って息抜きをしながら長ーく良い仕事をして欲しいと思うのだ。 私の経験では一人の技術者が抱える顧客数は最大で300人/一カ月だと見ている。 1日に15人カットして、ひと月に20日間働く・・・・・ そのかわり、その300人に全力で取り組めば、きっと良い仕事ができると思う。 世界のカリスマにならなくても、300人の為のカリスマになれば良い。 有給休暇は元気に遊ぶ為に使え・・・ これが私のモットーだ。 そこで生まれた活力でボランティアでも趣味でも・・・、 それに創作活動にも取り組めば良いね・・・。 ・・・とは言っても、その300人の顧客をつかむのも大変だし、その顧客を長ーく維持するも更に大変な事も事実だ。 でも・・・、 どんなに綺麗事を言っても、最後に評価するのは評論家でもオーナーでもない、そのお客様そのものなのだから・・・!! * 300人の顧客を既に持っている技術者のみんなへ・・・ それってすごーい事なんだよ!! あとはどれだけ長くその方たちとお付き合い出来るか・・・ それといつまで仕事を楽しいと感じていられるか・・・だね。 そして後輩の為にもカッコ良く、スターであって欲しい。 * それと・・・売れっ子の技術者を育てているオーナーの皆様へ・・・ せっかく育った天才技術者がバテないように、息抜きをさせることを忘れないようにね・・・。 |