No.8

2001/1/27

予約について

今日は予約について私がこれまで感じたことを書いてみよう。

随分前の事だけれど、ビバリーヒルのサロンで働いたことがある。(もちろん修行時代だから床掃き専門)

スタンディングカスタマーと呼んでいたのだが、毎週決まった曜日の同じ時間に1年分の予約を入れているお客様がいた。

そんなお客様をたくさん抱え込んでいる技術者は、毎日めまぐるしく働いていた。

そんな中で気が付いたことだが、今で言う売れっ子の技術者は休暇を取って遊ぶことも上手だった。

もちろん仕事中は休む間もなく、コーヒーカップと灰皿をワゴンの上に置き、昼食も立ったままサンドイッチをくわえていた。

そういえばあの頃は男も女もみんながタバコをくわえてたっけ・・・

1年分の予約が入っているので絶対に休めないんだ。

その代わりかもしれないが、半年に一度は長期休暇をとって海外に遊びに行っていた。

一度だけ売れっ子のBillさんがダウンしたことがある。

朝早く、真っ青な顔をしてサロンに出てきた彼は、予約のお客様に電話をかけまくり(少なくても20件以上はあったはずなのだが)、すべての予約を変更してもらった後に、フラフラと病院に向かった。

日本も売れっ子の技術者は似たような状況だと思うのだが、欧米のプロ意識には学ぶべきものがたくさんあると感じている。

反面、自分に当てはめたら・・・・、そんなにぎゅーぎゅー詰め込んだ仕事はきっと耐えられないかも・・・。

馬車馬のように良く働く技術者が、長い目で見れば必ずしも成功するわけではない。

だからスタッフのみんなには、程ほどの売れっ子でいてくれれば・・・と思っている。

上手に休暇を取って息抜きをしながら長ーく良い仕事をして欲しいと思うのだ。

私の経験では一人の技術者が抱える顧客数は最大で300人/一カ月だと見ている。

1日に15人カットして、ひと月に20日間働く・・・・・

そのかわり、その300人に全力で取り組めば、きっと良い仕事ができると思う。

世界のカリスマにならなくても、300人の為のカリスマになれば良い。

有給休暇は元気に遊ぶ為に使え・・・

これが私のモットーだ。

そこで生まれた活力でボランティアでも趣味でも・・・、

それに創作活動にも取り組めば良いね・・・。

・・・とは言っても、その300人の顧客をつかむのも大変だし、その顧客を長ーく維持するも更に大変な事も事実だ。

でも・・・、

どんなに綺麗事を言っても、最後に評価するのは評論家でもオーナーでもない、そのお客様そのものなのだから・・・!!

* 300人の顧客を既に持っている技術者のみんなへ・・・

それってすごーい事なんだよ!!

あとはどれだけ長くその方たちとお付き合い出来るか・・・

それといつまで仕事を楽しいと感じていられるか・・・だね。

そして後輩の為にもカッコ良く、スターであって欲しい。

* それと・・・売れっ子の技術者を育てているオーナーの皆様へ・・・

せっかく育った天才技術者がバテないように、息抜きをさせることを忘れないようにね・・・。

若くて体力のある時は、とかく無理し過ぎる傾向がありますから・・・ね

これは私の教訓かな・・・(笑)

つづく

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