華奢な身体に似合わず言うことが大胆でしょっちゅう私をびっくりさせた。
海外派遣を終えて帰国する度にまっ先にヘアカットに来てくれた。
何度目かの派遣から戻った時はさすがに疲れた様子で、「今回はろっ骨を折っちゃって・・・」と何事もないような口ぶりで話し始めた。
「でも、ろっ骨って折れてても仕事ができるから特に影響はなかったんだけれど・・・」
「うそーっ、僕なんか小指を捻挫しただけで仕事できないよ−」
さすがに怪我や病気に慣れてるんだな−と尊敬したものだった。
そんな彼女が、今度は仕事をやめて大学に行くと言い出したのを聞いて、またまたびっくり、看護婦として沢山の実績をつくり、そしてまわりの皆も認めていた矢先の挑戦だった。
しかも夜間に看護婦の仕事をしながらの勉学と聞いてもはや「偉い・・!」としか言えなかった。
北海道出身の彼女が秋田に戻る理由なんて何もなかったのに、「早く戻って来てくださいネ・・・」と言って送ったのが最後となった。
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