午前中のうちに国民公庫や金融機関を回って計画の説明をして必要な資金の融資を頼み込んだ。 幸いなことにこのご時世にもかかわらず、新規事業を立ち上げようとする山本の計画に何処も好意的に協力を約束してくれた。 午後には早くも立ち上げの準備を進めるべく戸田精工に車を走らせたのだ。 まだ路肩に雪の残る街道を戸田精工のある大館市まで、時間にして約2時間のドライブを楽しんだ。 トンネルのあるこのルートは適度な標高差とコーナーが続く走っていて楽しいルートであるが、最近は交通量が増えてしまい、ちょっぴりストレスを感じるようになってしまった。 秋田市から南に走るのは高速道路の開通と共に脅威的なほど時間が短縮したが、北に向かうルートは未だに時間距離は縮まっていない。 早く高速道路がつながって欲しい物だ・・・。 さて・・・、戸田精工での打ち合わせは今後の進め方の確認と素材や製法の情報交換だ。 なんと言っても山本が掲げるテーマ「世界一のレザーを創る!」に応える為に、木村さん達はとても真剣に取り組んでいるのだ。 15年の歳月をかけて1歩1歩培ってきたノウハウをいよいよ完璧な形で製品化しようというのだから、誰にも真似できないような物を創ろうと、自ずとテンションが跳ね上がってくる。 左の写真は1987年当時のヘアモード誌がレザルテを取り上げてくれた時ものだ。 新しい技術の開発に要する苦労は数え上げればキリがないが、こうして作品が残ることは技術者としてとても嬉しいご褒美でもあるのだ。
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