そんな話題のついでに一寸気になる情報を耳にした。 なんでも国内のベテラン技術者が団結して美容師のレベルアップと、ランク評価をする為の検定制度を模索していると言うのだ。 今回はちょっぴり固い話題だが、あくまで私の個人的な意見としてこの情報について触れることにした。 多くの諸先輩が美容界の将来を見据えていろいろな試みをするのは、とてもあり難い事だし否定するべきものではない。 しかし、それが将来の美容師の為に本当に良いかどうかをみんなで真剣に評価を下し、意見を出す姿勢を失いたくないと思うのだ。 ずばり、私はこう考える。 美容師のレベルを上げようとするならば、各研究団体が一般市場から本当に支持されるヘアスタイルを打ち出す努力をし、世界をリードするような技術者集団を目指すべきだ。 私の認識としては、経営者としての指導的立場の組織には美容組合があって・・・・ まして感性と先進性を強く求められる美容師の世界で、誰がどんな基準を持って評価するというのか? 天才を凡人が評価することは不可能である。 唯一逃れられない評価はお客様が支持するか否か・・・ これが全てだ。 ただし、業務を遂行する上で守らなければならない最低のルールと言うのは存在する。 伝染病や皮膚科学など必要充分な知識を身につけなければならないことは当然で、これは既に専門教育を受け国家試験をパスしたことで証明済みだ。 クリエイターや職人であるべきはずの美容師の世界を政治的な混乱の場にして欲しくないなー・・ こんな風に感じている今日この頃・・・である。 それにしても美容師の仕事って悪くないよなーー・・・ 先日のモスクワでのデモ講習でも、言葉のわかんない若い技術者が一生懸命日本人の私の指先を見つめて何かを学ぼうとした。身振り手振りで仕事のやり方を伝えただけで喜んでもらえた。 どこの国の人でも素敵なヘアスタイルが出来あがると本当にうれしそうな顔で応えてくれる。 綺麗になるのに人種や言葉の違いは問題にならない・・・ 若くって活きの良い天才デザイナーがどんどん生まれて来る素敵な業界にする為に、もう少し知恵を絞らなければならない時なのかもしれないね・・・・・ |